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2010年9月 司法書士の『ハッピーリタイア』研修のご報告

 株式会社コンサルティングファーム 代表取締役 山口毅は9月17日、長崎県司法書士会長崎支部研修会において、司法書士の「ハッピーリタイア~地域に安心を提供するモデル転換への可能性を事業承継を通して考える~」をテーマとした講演を行いました。


講師 弊社代表 山口 毅セミナーの様子

 2009年の司法書士登録に関するデータをみると、地方の司法書士が減少している実態が浮かび上がってきます。同年の減少が顕著な地域を北からみてみますと、以下のようになります。

N O 都道府県 登 録 登録取消 登録残
1 秋田 1 8 124
2 岩手 3 9 154
3 山梨 3 10 127
4 三重 7 14 267
5 徳島 0 8 146
6 愛媛 5 12 242
7 熊本 5 19 318
8 那覇 11 19 212

 増減なし、または減少となった都道府県は合計で23県と、約半数を占めるまでになっています。近年、司法書士人口が大幅に増加し、去年も新規登録が1,074人と多かったなかで、都市部への集中と地方での廃業が目立っています。司法書士は全国の市区町村の約7割に事務所を置き、市民の身近な法律家として大きな役割を担っているわけですが、上記のような状況が続くと、いわゆるゼロワン地域が今後拡大する恐れがあるといわざるを得ません。

 司法書士は他の士業と同様、高齢化が進んでおり、スムーズな世代交代が喫緊の課題になっていますが、事務所を引き継いでくれる資格者が見つからず、辞めたくてもなかなか辞められないというジレンマが存在します。一方で、コンサルティングファームが運営している司法書士の人材紹介サービス「メンターエージェント」には、毎年たくさんの司法書士有資格者の方々が登録されますが、司法過疎地での開業を選択肢のひとつとして考えてはいるが、なかなか一歩を踏み出せないといった方が多いように思われます。事務所側、人材ともそれぞれに課題があり、うまくマッチングができていないようです。

 高齢化により引退を考えている事務所側が抱える課題は、下記の3点にまとめられます。
    1.顧客や地域社会への責任
    2.従業員の雇用の維持
    3.引退する経営者と家族の経済的保証

 今回の講演では、これらの課題を解決し新しい世代へと事務所をつないでいくために、事務所は今後どのような体制整備をしていくべきなのか、を主題として話をさせていただきました。
 答えを一言でいってしまえば「引き継ぎたい事務所」「継続する事務所」となるように、早くから準備をしましょうということです。司法書士には他の士業にくらべて「個人との接点が最も多い」「寿ブランドである(※)」「幅広い業務領域を持つ」という強みがあります。それらを活かして、新しい時代の司法書士事務所にモデルチェンジできるように事務所をしっかりとマネジメントすることが必要となってきています。

 コンサルティングファームは、業務を長年続けてこられた司法書士の方が、顧客に迷惑がかかるような事態に陥ったり従業員が混乱したりすることなく、スムーズに事務所を承継し、ハッピーなリタイア生活を送れるような支援や情報提供を行いたいと考えています。

 今回、長崎県の司法書士会長崎支部さまより研修の機会をいただけたことは、大きな喜びであり、当日、お忙しいなか、ご参加いただきましたみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。この研修がみなさまの事務所経営と「ハッピーリタイア」に向けた準備への情報としてお役に立つことができれば幸いです。ご参加ありがとうございました。

(※)寿ブランド……山口による造語。司法書士は不動産売買等のおめでたい席に立会い、売主・買主両方の立場にたって決済を行うことからこのように名づけてみました。一方、弁護士は、紛争がおきてから、どちらか一方の立場にたって争うため「闘いブランド」といえるでしょう。