HOME » 業界の最新動向 » 多様化する司法書士事務所とキャリアパス


多様化する司法書士事務所とキャリアパス

 規制が緩和される以前は、司法書士事務所の形態は個人事務所しかありませんでした。したがってキャリアパスも、司法書士試験を合格した後は、数年間、司法書士事務所で補助者として修行をして独立開業するというワンパターンしかなかったのです。
 しかし、この10年来、司法書士を取り巻く環境は激変し、司法書士事務所の形態や仕事の内容が多様化したことから、司法書士の働き方やキャリアパスも選択肢が増えました。
 ですから、司法書士有資格者の方は、自らのライフプランとそれに合ったキャリアプランをつくり、そのプラン実現のために最適な事務所を選択する必要が出てきたのです。

 ここでは、みなさんにキャリアプランを立てる上で参考にしていただくために、どのような司法書士事務所があるのか、そして、そのなかでどのようなキャリアパスがあるのかについてお話ししたいと思います。

多様化する司法書士事務所

 司法書士を取り巻く環境の変化をうけて、主に大都市圏において司法書士事務所の形態も多様化してきました。代表的なものをあげてみましょう。

事務所のタイプ(※) 概要
個人事務所型 従来型の所長と数名の補助者で構成される司法書士事務所のことです。
現在でも多くの事務所がこのタイプに該当します。特に三大都市圏や政令指定都市を除くと地方の場合は99%がこのタイプに属するといってよいでしょう。
都市近郊や地方にある地域密着型の事務所は、幅広い業務を行っているようです。
ブティック型 特定の分野に特化して、より専門性の高いサービスを提供する事務所です。
企業法務や不動産証券化などに特化している司法書士事務所がその代表例です。
規模は個人事務所と同じか、やや大きめです。
企業をクライアントとし、それぞれに専門性の高い資格者がチームを組んで案件を受け持つことが多いようです。
デパート型 いくつかの部署にわかれ、組織としてクライアントの求めるサービスの開発・提供を目指している事務所です。ひとつの事務所に、いろいろな種類の「ブティック」を内包しているイメージです。
規模は比較的大きく、法人化している事務所が多いようです。
ホームセンター型 債務整理、金融機関からの担保権設定、新築時のマンションの登記など、ある特定の分野の大量案件を処理できるサービスインフラを持った事務所です。
大量の仕事を受注し、効率よく処理する仕組みを持っています。
デパート型と同様、規模は比較的大きく、法人化して拠点展開しているところが多く見られます。
その他 複数の司法書士で事務所を運営する共同事務所など。
開業当初のコスト負担を軽減させることを主目的として選択されるオフィスシェアー型と、経営そのものを複数の資格者が行う共同経営型があります。

※メンターエージェントが独自の基準で分類したタイプです。

司法書士としてのキャリアパスについての考え方

 いろいろな形態の司法書士事務所が出現してきたことで、そこで働く司法書士の目標とするキャリアや働き方も変化しました。それぞれの過去の経歴や現在の状況、またライフプランや目標にあわせて、さまざまな組み合わせのキャリアパスを考えることができます。いくつか例をあげてみましょう。

(1)将来は地元に帰って働きたい、地方出身のAさんの場合

司法書士試験に合格したばかりの地方出身のAさんは、将来的には地元で働きたいと考えています。

■Aさんの地元が司法過疎地域なら
 配属研修または短期間の修行で基本スキルを学び、早めに地元で独立・開業することをお勧めします。

■Aさんが独立するより組織の一員として働きたいと考えているなら
 拠点展開している司法書士法人に就職
   ↓
 補助者
   ↓
 勤務司法書士
   ↓
 出身地域の拠点マネジャー(法人の社員)

といったキャリアパスが考えられます。

(2)高い専門性を身につけたい、東京出身のBさんの場合

Aさんと同じく合格したばかりの東京出身のBさんは、将来的には東京で企業法務のプロフェッショナルになりたいと考えています。

■高い専門性を獲得したい場合は
 「ブティック型」または「デパート型」の事務所での勤務が早道ですが、
 そういった事務所の数は限られていますので、狭き門となっています。

■Bさんに社会人経験がないとしたら
 社会人としての基礎を学ぶことのほうが最優先です。
 「ホームセンター型」の比較的大きめの事務所で修行
   ↓
 「ブティック型」または「デパート型」へ転職

というように、ステップアップしていく方法を考えたほうがよいでしょう。

 キャリアパスは、人それぞれです。各人の特性や現在おかれている状況、何を最優先事項とするかで異なってきます。
 あなたが目標とするキャリアは何か、それを実現するために今のあなたがとれる手段は何か、キャリアプランをじっくり考えて作ってみましょう。

司法書士のキャリアプランについてはこちら


PAGETOP